非日常における日常
四獣神の部隊は追い払ってもまたやってくる。その度にソレイユは郡司聖也、
刃弥勒と共に出撃する。聖也はエースパイロットで、腕は一級品。弥勒もまた優秀なパイロットで、2人で出撃する時は無敵と言われるほどだ。そんな中、ソレイユは聖也が、遅刻をしたメンバーを激しく叱責しているのを目撃する。周りに聞くと聖也は時間に異常に厳しいとの事。なぜ時間に固執するのかは皆知らないようだった。一方弥勒は先鋒でも殿(しんがり)でもなんでもスマートにこなすが、口数が少なく自分の身の上を語る事もない。謎多き2人だが、ソレイユは2人に憧れ慕っていた。
ある日、戦いで軽傷を負ったソレイユは救護室に向かう。そこにはアー、ユー、ランランという女子達がいて、悪戯好きのアーとユーにからかわれまくる。アーとユーが飽きてようやく解放されたソレイユはランランに治療を受け、その中で聖也の話を聞く。聖也にはどうやら記憶障害があり、たまに自分がわからなくなる事があるらしい。弥勒の事はランランもわからないという。
弥勒と2人きりの任務を通じて、弥勒になつくソレイユ。明るく素直なソレイユに弥勒は心を開き、少しずつ身の上を話し出す。弥勒は幼い頃から1人で生きて来たが、面倒を見てくれたり優しくしてくれたりした人々が皆不幸になってしまう。自分のせいだと思った弥勒は誰とも仲良くならないよう1人で生きてきた。大怪我をしてベオグラード・ザッハに運ばれそのまま共に旅しているが、迷惑をかけたくないのでメンバーとは関わらないようにしているという。それを聞いたソレイユは同情する様子も気を使う様子もなく「じゃあもう大丈夫だね!だってベオグラード・ザッハのみんなも僕も、いま幸せだから」と澄んだ声で言った。それはまるで「この唐揚げ、美味しいね!」というぐらいの軽さだったので、弥勒は少し嬉しい気持ちになった。